70:名無しNIPPER[sage saga]
2019/05/25(土) 11:28:52.32 ID:YWfCY9A20
――沙綾ちゃん、だよね? 見えてたら嬉しいな。ううん、見えてるよね。絶対に見えてるハズだよね。
春のある日から始まった、机上の文通。時を超えてやり取りを交わしていた日々が沙綾の脳裏に蘇る。その思い出を噛みしめるように、彼女はメッセージを追っていく。
――こっちの沙綾ちゃんから「大丈夫」って聞いたけど、大丈夫? ちゃんとごはん食べてる? 何か大変なこととかない? もし何かあったら遠慮せずに言ってね! わたしたちに出来ることがあればなんでも頑張るよ!
書いてある内容は、そんな風に沙綾を心の底から心配しているものだった。読み進めていくと、今読んだものと同じような言葉が何個も並んでいたり、ところどころに誤字脱字が見られる。
それだけ熱心に書いてくれたんだな、と思うと、沙綾は少しだけ胸が温かくなった。
――沙綾ちゃんたちがちゃんと元通りに戻れる方法、わたしは全然役に立てないかもしれないけど、みんなで一生懸命考えるから! 無事に戻れたらライブだね! 頑張ろ!
しかし、最後の方の激励のメッセージが、また沙綾の心に暗い影を落としてしまう。
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