1:saga
2019/05/26(日) 21:20:35.04 ID:DSD3mREC0
  
  ※アイマス  
  ※はるちは  
  ※百合  
  
SSWiki : ss.vip2ch.com
2:saga[saga]
2019/05/26(日) 21:27:46.17 ID:DSD3mREC0
 ※あと名前とメール欄まちがえました。そのままいきます 
3:saga[saga]
2019/05/26(日) 21:29:08.15 ID:DSD3mREC0
  
 『もしも』の世界。 
  
 自分が、アイドルではなく、ただの高校生だったら。 
 そんな夢をみた。 
4:saga[saga]
2019/05/26(日) 21:29:35.99 ID:DSD3mREC0
  
 ……でも、そのことに気がついたのは、すぐだった。 
   
 普通の、っていうことは、いないんだ。出会わないんだ。 
 みんなとは。プロデューサーさんとは。 
5:saga[saga]
2019/05/26(日) 21:30:21.10 ID:DSD3mREC0
  
 ―――――― 
  
 もう何回目かの、千早ちゃんの部屋にお泊りの日。私はこう言った。 
  
6:saga[saga]
2019/05/26(日) 21:31:01.09 ID:DSD3mREC0
  
 「食レポだったらお仕事でしたことあるけど、もし成人したら、こんなお仕事もできるのかなぁって」 
  
 「そうかもしれないわね。あ、もしかして、それに備えてって事かしら」 
  
7:saga[saga]
2019/05/26(日) 21:31:40.70 ID:DSD3mREC0
  
 「まあ……確かに、私も気になるわね。春香が酔ったらどうなるか」 
  
 「でしょ? 気になるよね。どんな感じなのかなー。笑い上戸とか、泣き上戸とか、あれって本当にそうなるのかな」 
  
8:saga[saga]
2019/05/26(日) 21:33:54.27 ID:DSD3mREC0
  
 「冗談よ。いいじゃない、先におかしなこと言ってきたのは、春香なんだから」 
  
 「それは……そうですけども」 
  
9:saga[saga]
2019/05/26(日) 21:34:43.67 ID:DSD3mREC0
  
  気になる間があった。まさか、もう引退をかんがえているなんてこと――― 
  
 「あっ、いえ。そうじゃないわ。私も、まだ辞める気はないわよ」 
  
10:saga[saga]
2019/05/26(日) 21:35:18.17 ID:DSD3mREC0
 …………。 
  
  というか、お酒の話から、ずいぶん真剣な話になってしまった。なんだろう、呑みの席じゃなくて、お酒の話題だけでも酒気にあてられるなんてこともあるんだろうか 
 。 
 「よし! 真面目な話はここまで! もうちょっと気軽な話にしよ!」 
11:saga[saga]
2019/05/26(日) 21:36:01.96 ID:DSD3mREC0
  
 いつか来る未来ではなくて、あったかもしれない世界の話なら。何も気にせず話せるんじゃないだろうか。 
 例えば私が、もしも、お菓子作りの腕をさらに上げて、パティシエの世界に……とか? 
  
 「ああ、そういうこと。……確かに春香なら、そんな道もあったのかもしれないわね」 
12:saga[saga]
2019/05/26(日) 21:36:51.44 ID:DSD3mREC0
  
  呆れているようです。おかしいな、上手いこと言ったと思ったんだけど。今度のMCでも試してみようかな? 
  
 「やめてちょうだい。それ、私も巻き込まれるでしょう」 
  
13:saga[saga]
2019/05/26(日) 21:37:22.42 ID:DSD3mREC0
  
 「……ああ、でもやっぱりわかったわ。私たち、もうアイドルやめられないわね」 
  
 「え? なんで?」 
  
14:saga[saga]
2019/05/26(日) 21:38:36.62 ID:DSD3mREC0
  
 「……どうしたの? 急にだまって」 
  
  千早ちゃんは、首を傾げている。 
  
15:saga[saga]
2019/05/26(日) 21:39:25.07 ID:DSD3mREC0
  
  空笑いなのは、伝わっているだろう。 
 千早ちゃんは、しばらく黙っていた。 
  
 ……けれど。 
16:saga[saga]
2019/05/26(日) 21:40:18.77 ID:DSD3mREC0
  
 「アイドルが続けていられるかは……さっき春香に励まされたけれど、正直今でも不安よ」 
  
 「……うん」 
  
17:saga[saga]
2019/05/26(日) 21:40:47.79 ID:DSD3mREC0
  
 「あなたなら、どんな『もしも』でも、必ず私に声を掛けてくれるって」 
  
 「――――――え?」 
  
18:saga[saga]
2019/05/26(日) 21:42:00.50 ID:DSD3mREC0
  
 ……我ながら、ずいぶん夢の話に引っ張られて、ネガティブになっていたみたいだ。 
  
 そうだった。たかが、夢なんだから。しかも、悪夢じゃなくて、楽しい夢ときてるんだから。だったらあれこれ悩まず、ただ楽しかったで済ませばそれでよかったのに。 
 目を覚ませば、みんなが。千早ちゃんが、待っているんだから。 
19:saga[saga]
2019/05/26(日) 21:42:53.16 ID:DSD3mREC0
 ―――――― 
  
  
 ―――その夜も、夢をみたけれど。内容まではよく覚えていなかった。 
  
20:saga[saga]
2019/05/26(日) 21:45:05.73 ID:DSD3mREC0
 おわりです。 
  
 ありがとうございました。 
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