【エヴァ】シンジ「すべてを受け入れようと思う」
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19: ◆o6rtSmOlPg[saga]
2019/05/29(水) 14:43:18.90 ID:PM9H0cD60
シンジは、体にまとわりついた重力を引きはがすようにして、ベットからゆっくりと体を起こす。
ブリッジの上に佇む女性の背中に目を向けた。その時、周囲のスタッフたちの妙な気配に気付き、彼らのいる方へと視線を送った。
彼らは、各々の持ち場に付きながらも、明らかにシンジのいる方へ意識を集中させていた。彼らは、憎しみとも怯えとも付かない表情を浮かべて背中越しにシンジを見ていた。シンジは自分の置かれている状況が把握できずに動揺する。そして、その答えを求めるようにして、ブリッジの女性の方へ顔を戻した。

「……ミサトさん?」

 シンジには見覚えのある横顔だった。しかし、半信半疑のまま口に出した声に対する応答は冷たいものであった。

「碇シンジ君……でいいのよね?」

 ミサトは、ただ既成事実を確認するように、奥にいるもう一人の女性へ向かって言葉を発した。

「そうね。物理的情報では、コード第3の少年と完全に一致。生後の歯の治療跡など身体組織は、ニアサー時を100%再現しているわ」

カーキ色のジャケットに身を包んだ女性は、電子カルテを眺めながらそう言った。
金色の短髪と知的な声、そして彼女の発する語彙から、その女性は赤城リツコであることが伺えた。シンジはベッドから降りると、素足で床の上に立ち尽くしてブリッジを見上げた。

「なお、深層シンクロテストの結果は分析中」

リツコは、冷静沈着な口調で淡々と状況の説明を続ける。

「頸部へのDSSチョーカーは?」

ミサトは、立ち上がったシンジの方を見据えながら、現状の確認を続ける。
彼女の視線はサングラスに被われて、その感情は一切分からない。

「すでに装着済よ。葛城艦長」

リツコは自分の成すべき説明を終えると、ミサトの方へ振り返りながら念を押すようにして艦長の名を呼んだ。


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