【エヴァ】シンジ「すべてを受け入れようと思う」
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20: ◆o6rtSmOlPg[saga]
2019/05/29(水) 14:49:40.37 ID:PM9H0cD60
「葛城、艦長って……? でも、やっぱりミサトさん?」
その時、シンジの首に巻かれていたチョーカーから電子音が発せられた。
リツコは、手に持っていたコントローラーを操作して、表示されたステータスを“ACTIVE”に切り替える。
「作動正常。パスコ―ドは艦長専用に」
「了解」
そう言ってリツコの手から、ミサトにコントローラーが手渡される。
「なんなんだよ、これ。はずしてくださいよ、もう……」
シンジはチョーカーに手をかけて、首に巻き付いた鉄の輪を剥がそうとする。
「絶対にはずしませんよ……それ……」
ベレー帽の女の子は、両手でバインダーを抱きかかえながら独り言のようにつぶやいた。
シンジは手を止めて唖然とした表情をブリッジに向けた。
「検体・BM-03、仮称『碇シンジ』さん。副長から説明があるそうです」
まるで刑務所のような鉄格子の中に隔離された中で、ベレー帽の女の子が呼びかける。
「これが初号機……?」
ヴンダーの機体をモデリングしたCGを目の当たりにして、シンジが素直な感想を口にする。
「ええ。初号機は現在、本艦の主機として使用中。ゆえにパイロットは不要です」
リツコは極めて冷静に、論理的な口調でそれに答える。
「はぁ……えっと? 僕は、もう、エヴァに乗らなくていいんですか?」
「それと、あなたの深層シンクロテストの結果が出ました。シンクロ率は0.00%。仮にあなたがエヴァに搭乗しても起動しません」
モニターには、00.000%の数値が映し出されていた。その事実を、シンジの問いかけを無視したリツコが淡々と説明していく。
「そっか〜。よかったですね、碇さん」
その事実を聞いて、ベレー帽の女の子が安堵の声を出した。
しかし、リツコは声色の深刻さを強めて、宇宙空間で起こった出来事について言及する。
「とはいえ、先に突如12秒間も覚醒状態と化した事実は看過できない。故にあなたには、DSSチョーカーを装着させてあります」
「これのことですか……?」
モニターのCGは、シンジの首に巻かれた物に変わっていた。リツコは、それについて科学者然とした語彙で説明する。
「私たちへの保険。覚醒回避のための物理的安全装置。私たちの不信と、あなたへの罰の象徴です」
「どういうことですか……? 意味がわかりません」
シンジはその真意を読み取ることができない。
「エヴァ搭乗時、自己の感情に飲み込まれ、覚醒リスクを抑えられない事態に達した場合、あなたの一命をもってせき止めるという事です」
リツコは、その役目について少しだけ分かりやすい表現を使う。
なるべくシンジの感情を刺激しないように。
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