276: ◆on5CJtpVEE[saga]
2019/06/22(土) 07:43:09.14 ID:F7aS3gER0
  
 真美、決めたじゃんか。 
  
 もう迷っちゃダメなんだ。 
  
 進むしかないんだよ。 
  
 それが、兄ちゃんのためなんだよ。 
  
  
 そう何度言い聞かせても。 
  
 真美の中の真美が、納得してくれない。 
  
  
 『なんで真美が、こんな思いしなきゃなんないのさ!』 
  
  
 分かってるんだよ、真美も。 
  
 でも、この思いのやり場がなくて。 
  
  
 「あのときのケーキ……美味しかったなぁっ……!」 
  
  
 男の人が足早に駅へ向かっていく後ろで、出てくる言葉が止められなかった。 
  
 持って帰ったケーキは、結局食べなかった。 
  
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