285: ◆on5CJtpVEE[saga]
2019/06/22(土) 07:47:45.57 ID:F7aS3gER0
  
 「やっぱり元気がないな」 
  
 「ううん、そんなことないもん」 
  
 「いつもなら張り切って前を歩くだろう」 
  
  
 そーかな。 
  
 そーだったかも。 
  
 今の真美は、アヒルの子みたいに兄ちゃんの後ろをついてくだけだもんね。 
  
  
 「……へっへん! そんなこと言われちゃ、真美も張り切るしかないっしょ!」 
  
 「おいっ! 待てっ!」 
  
  
 だだだっ、と。 
  
 兄ちゃんの横を、すり抜けるように走り抜けた。 
  
  
 「機材持ってる人もいるんだから危ないぞ!」 
  
 「あ、そっか、気をつけるね!」 
  
  
 兄ちゃんの顔を見ないように。 
  
 空元気を、精一杯の盾にして。 
  
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