不死と手を繋いで
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3:名無しNIPPER[saga]
2019/06/23(日) 04:10:47.29 ID:pDgO5IhM0

さて,あとは荷車に載せられているブラックボックスだ,

「コロムさん,荷車の上の荷物は見させていただいても,構いませんか?」

「中のものが外気に触れさせると変質してしまうから,できないな」

「中身はどのようなものでしょうか?」

「――――――不死狩りとしての証だ.見ても楽しいものではないことはたしかだ」

門兵として過去数年間生きてきた俺は,大抵のことに驚かなくなっていた.

いきなり魔法銃を向けられたり,無数の牙を生やした鳥が檻から飛び出したりしたから.

「すいませんが,その証を見させていただけますか? 私どもは『不死狩り』について,不勉強でなにも知らないのです,

それに先ほど,彼が述べた通り貴方はいささか怪しいと言わざる負えません」

「―――不死狩りの証を見るまでは,入れさせてくれないわけか」

フードの女が,ため息を吐いた気がした.

「言い方に語弊はありますが,そういうことです」

「ならば私はとめないよ」

フードの女は,荷車の上から一つ,ブラックボックスを取り出し,目の前に持ってきた.

「見せるの一瞬だけだ,もっと近寄れ」

フードの女が襟をつかんで,俺を引き寄せる.彼女からは,あせの甘酸っぱい香りがした..

そして,フードのボックスから中から現れたのは

無残にも手足をもがれ,性器がだらしなく垂れさがった,人間の胴体だった.



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