1:名無しNIPPER[saga]
2019/06/23(日) 04:07:58.88 ID:pDgO5IhM0
門兵としての仕事として,荷物の検分がある.
違法な製品や,危険物を持ち込んでいないかを確認する作業である.
全員隈なくというわけにはいかないから,たいていは怪しい者に限っている
例えば,目の前に立っている,全身を黒いフードで覆い,腰に鋸を携帯している人物がそれに当たる.
そいつの運んできた荷車の上には大小まちまちなブラックボックスが規則正しく並べられていた.
俺は,その荷物を怪訝そうに見ていた相棒のスナにこちらに来るよう手を振った.
スナは門兵の中で一番力が強く,一番こういう事態に向いている.
スナは顔面に浮かぶ火傷跡を痛々しくゆがめて,フードの人物の隣に立った.
スナは巨漢であるので,比較的小柄なフードの人物とは,親子のような体格差である.
なにかあっても,すぐに鎮圧できるようにスナは拳を固めている.
俺はようやく,フードの人物に質問をすることができた.
「あなたの名前と素性について教えて下さい」
フードの人物は,意外にも凛と澄んだ声で返事をした.
「私は,コロム.不死狩りを生業としている者だ」
声音からして女だろう.なるほど,フードしているのもそれを隠すためということか.
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2:名無しNIPPER[saga]
2019/06/23(日) 04:10:02.18 ID:pDgO5IhM0
そして,『不死狩り』耳慣れない単語が出てきた.
「不死狩りとはなんでしょうか?」
マホウ生物を狩るもの,罪人を狩るもの,は今まで見てきた.
3:名無しNIPPER[saga]
2019/06/23(日) 04:10:47.29 ID:pDgO5IhM0
さて,あとは荷車に載せられているブラックボックスだ,
「コロムさん,荷車の上の荷物は見させていただいても,構いませんか?」
4:名無しNIPPER[saga]
2019/06/24(月) 04:09:55.62 ID:815TSFtzO
異常な光景に眼が釘つけになり、俺は息がつまった。
頭の中で警報が鳴るものの、どうすればよいのか咄嗟に判断できない。
隣の女に問いただすべきなのか、それともこの場から離れて応援を呼ぶべきなのか。
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