道化の道化「狂いながら壊れながらも、一緒に生きよう」
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12:名無しNIPPER[sage saga]
2019/08/01(木) 23:06:59.01 ID:ZeTen5TYO
「フハハハハハハハハハハハハハッ!!!!」

高らかに。狂ったように。哄笑を、響かせた。
狂っているのは君だけじゃないと伝える為に。
君だけが壊れているのではないと言いたくて。

だから道化は、狂い壊れて、愉悦を漏らした。

「ふぅ……愉しかった」
「……」
「驚かせてごめんよ。僕は壊れてるんだ」
「……」
「これで僕も君と同じ……いや、もっと酷いね」
「……」
「だからさ……そう思い詰める必要はないよ」
「……」
「狂いながら壊れながらも、一緒に生きよう」

我ながら何の解決にもなっておらず情けない。
無力な僕には、憐れな道化を、助けられない。
それでも、口にした言葉と気持ちが嘘ではないことを示す為に、僕は尿で汚れた下着を脱ぎ捨てて、道化が編んだ毛糸のパンツを穿いた。

「うわ! すごい! 見て! ぴったりだよ!」
「……」
「ただ、穿き心地はあんまり良くないね!」
「……」
「チクチクしてお尻が痒くてたまらないよ!」

そう言いつつお尻をぽりぽり掻いて見せると。

「……ふふっ」

感情を無くした道化が、微笑んだ気がした。
それはもしかしたら気のせいかも知れない。
それでも良かった。気のせいでも良かった。

気のせいでも、いつか生きていて良かったと思って貰えるように、僕は道化の道化を演じ続ける。


【道化の道化】


FIN


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