道化の道化「狂いながら壊れながらも、一緒に生きよう」
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11:名無しNIPPER[sage saga]
2019/08/01(木) 23:05:18.27 ID:ZeTen5TYO
「ごめん……ありがとう」
「……」

道化は手に毛糸の塊のようなものを持っていて、その少しチクチクするけれど暖かい温もりを感じる編み物に、僕は興味を惹かれた。

「それはもしかして、完成した編み物かい?」
「……」
「ちょっと、見せて貰っても構わないかな?」
「……」

そう頼むと、道化は手に持った完成した編み物らしきそれを僕に手渡し、見せてくれた。

「これは、もしかして……」
「……」
「毛糸の……パンツかい?」
「……」

入り口はひとつ、出口はふたつ。
それは紛れもなく、毛糸のパンツであり。
それを見た僕は、なんだか笑いがこみ上げた。

「フハッ!」

まさか狙ったわけではないだろうが、ナイスタイミングであると言わざるを得ない。
よりにもよって盛大に尿を漏らした今日この日に、毛糸のパンツが完成するなんて、これを笑わずに何を笑えというのか。だから僕は嗤う。

それが道化の道化の役割だから。


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