道化の道化「狂いながら壊れながらも、一緒に生きよう」
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2:名無しNIPPER[sage saga]
2019/08/01(木) 22:42:55.39 ID:ZeTen5TYO
「君は何が出来るの?」

道化といえば、ジャグリングやパントマイム。
楽器や手品まで、とにかく人を楽しませ、笑わせる為になんでもこなす印象があったのだが。

「……」
「え? 何も、出来ないの……?」
「……」

首を振り、頷き、自らが無能であると示した。

「じゃ、じゃあ、一緒に練習しようよ!」
「……」

なんだか居た堪れなくなってそう提案すると、道化は頷き、遊具入れから持ち出したお手玉を手にすると、それを不器用に中空に放った。

そして放物線を描いて、お手玉が床に転がる。

「……」
「あ、あはは……下手だなぁ」
「……」
「こうやるんだよ、見てて」

昔、祖母から教わった通りに僕がお手玉を披露すると、道化はその手つきをなんの感動もない無表情で、ただひたすらに見つめ続けた。

「わかった?」
「……」
「じゃあ、やってみて?」
「……」

再びお手玉を道化に手渡して様子を伺うも、先程から何ひとつとして進歩がなく、放物線を描いたお手玉は重力に引かれてまた床に落ちた。


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