ドラクエ YOUR STORY のウイルス「大人になりなさい」ぼく「うるせえっ!!」
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12:名無しNIPPER[sage saga]
2019/08/05(月) 22:22:46.98 ID:G4igyQUfO
「ううっ……ぐすんっ」
「ど、どうしたのよ? 大丈夫?」
「ご、ごめんなさい……自分が、許せなくて」
「自分が許せないって、どういう意味?」
「旦那様とビアンカさんとお子さんの幸せな家庭を壊すようで、なんだか申し訳なく……」
「あのね、フローラさん」

みっともなく泣きじゃくる私の肩を掴み、ビアンカは真面目な顔と声で叱って下さいました。

「あなたは私達の家庭を壊しに来たの?」
「ち、ちがっ……」
「それなら、あなたが幸せな顔をしなくてどうするのよ。初日から泣き言なんて言わないで」
「ご、こめんなさ……」
「謝るのも禁止。だからほら、笑って?」

至極もっともな説教をしてくださり、感銘を受ける私を促すようにビアンカさんは美しく微笑みました。その笑顔につられ、私も微笑みました。

「ふふっ。フローラさんは笑顔が素敵だから、きっとあいつもその顔の方が喜ぶと思うわ」
「ビアンカさんの笑顔には敵いません……」
「あら、ありがと。笑顔は私の数少ない長所だから褒められると嬉しいわ。さて、それじゃあこの話はおしまい。もう泣かないでね?」

ご謙遜をなされたビアンカさんは、話を打ち切り、旦那様についての愚痴を口にされました。

「それにしてもこんな良い子を捨てて私を選ぶなんて、つくづくあいつは馬鹿だと思うわ」
「運命だったのだと、私は思います」
「それなら今こうしてあなたがここに居るのも運命ってことになるわね。そうじゃない?」
「ビアンカさん……」
「ん?」
「本当にありがとうございます」
「あはは! いいっていいって!」

ビアンカさんにそう言われると、なんだかそんな気がしてきて、もしかしたら彼女こそがその運命の女神様なのかも知れないと思い、心から感謝をしました。


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