天海「アイランドモード?なんすかそれ?」小泉「パート2よ」
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337: ◆6V8mSlZQhU[saga]
2019/10/31(木) 20:58:12.32 ID:kdPBN49p0
俺は重い足取りで苗木くんのいるコテージを訪れた。

苗木「……どうしたの?」

天海「こんな夜に訪ねて来てごめんなさい……少し話したいことがあって」

苗木「そっか…」

彼は多くを聞かなかった。俺の様子を見て、察してくれたのだろう。

天海「もし…もしもですけど、君が誰かを知らない内に傷付けたとしたら……君ならどうしますか?」

苗木「……そうだね」

彼は少し考え込みながら、ゆっくりと口を開いた。

苗木「こんな言葉が役に立つか分からないけど……僕なら『向き合う』よ」

天海「…向き合う?」

苗木「うん、当たり前のこと言ってるだけかもしれないけど、僕はそのことに対して真摯に向き合うしかないと思う」

天海「……」

苗木「…あ、やっぱり……当たり前すぎて役に立たなかった…かな?」

天海「いや──」

天海(最初から、どうするかなんて決まっていたのかもしれない)

天海(……元より逃げるなんて選択は存在しなく、俺は自分がなぜ彼女を傷付けてしまったのかを知る必要がある)

天海(そう考えると苗木くんの強さには驚かされる……)

天海(俺は知らず知らずの内に逃げようと、もしくは自分の傷を癒してくれる答えを探していた……でもきっと彼にはそんな逃げの手はないのだろう)

天海「──助かりました、ありがとうございます」

俺は苗木くんに礼を言い、自分のコテージのほうに引き返した。

いきなりやってきて、いきなり帰るというのは、はた迷惑なものだが、今日ばかりは苗木くんの甘さにつけ込み許してくれることに期待した。

あとで何か奢ろう。それも数回奢っても良いかもしれない。寿司やピザとか苗木くんは好きそうだし、喜んでくれるだろう。

だが、そんなことを考えている俺の笑みは次の瞬間──消えることになる。


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