「我々の願いは、この素敵な道具が叶えてくれる」
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1: ◆dTsdr7bVTg[saga]
2019/08/18(日) 19:35:02.95 ID:All9ssB20
勇者「さて、いざ出立といこうか」

魔法使い「やっとね」

僧侶「招集されてから今日まで随分掛かりましたからね」

戦士「これから魔王を倒しに行こうというのだ。事前の研修に時間が掛かるのは当然であろう」

勇者「そりゃそうだけど……」

僧侶「研修のほとんどは実技ではなく座学でしたよね」

勇者「なんだっけ?『近年普及した新しい魔法体系が戦闘に与える影響について』だっけ?」

魔法使い「学術雑誌のタイトルかって。〜魔道具のインパクトを中心に〜とか添えたら完璧よ」

戦士「そうは言うが、戦闘一筋に生きてきた俺にとっては新鮮な視点であったぞ」

僧侶「戦闘に限らず、自分の行いを第三者的な視点で見ることは中々ないですからね」

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2: ◆dTsdr7bVTg[saga]
2019/08/18(日) 19:37:37.18 ID:All9ssB20
勇者「ん〜、でも要は魔王を倒すのが唯一の目的だしさ」

戦士「その目的を円滑に果たすための研修ではないか」

僧侶「勇者さんは研修の最中、ほとんど寝てたから理解できていないんじゃないですか?」
以下略 AAS



3: ◆dTsdr7bVTg[saga]
2019/08/18(日) 19:39:18.62 ID:All9ssB20
宿屋の主人「あいにく、今日は4人部屋が一つしか開いていないんですが、皆さん同室でよろしいですか?」

僧侶「えっ……」

戦士「いや、それは……」
以下略 AAS



4: ◆dTsdr7bVTg[saga]
2019/08/18(日) 19:40:20.77 ID:All9ssB20
僧侶「魔法石版を勇者さんはご存知ですか?」

勇者「当たり前だろ。俺だって持ってるぞ」サッ

勇者「これだろ。魔石を手持ちサイズの石版に削りだして、魔族や一部の魔法使いしか使えなかった伝心魔法を誰にでも使えるようにしたという……」
以下略 AAS



5: ◆dTsdr7bVTg[saga]
2019/08/18(日) 19:42:23.87 ID:All9ssB20
勇者「……で、なんでこの宿屋に同室で泊まることと魔法石版が関係するんだ?」

僧侶「魔法石版を使えば、この宿屋にいる人は誰でも、王国中の民に発信できるわけです」

戦士「絵画付きで『勇者隊は出立直後に宿屋で乱交パーティーしている』とな」
以下略 AAS



6: ◆dTsdr7bVTg[saga]
2019/08/18(日) 19:43:52.78 ID:All9ssB20
勇者「そもそも、俺達の目的は王国の民の規範となることじゃないだろ?」

勇者「魔王を倒して王国に平和をもたらすことだろ」

僧侶「その魔王を倒すための行軍に支障が生じるんですよ」
以下略 AAS



7: ◆dTsdr7bVTg[saga]
2019/08/18(日) 19:45:43.25 ID:All9ssB20
〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜

魔法使い「遥か彼方に街の明かりが見えてきたわね」

勇者「そうだな。頭の固い誰かさんたちがゴチャゴチャ言うから、暗い山道を散々歩くことになったけど、ようやくだな」
以下略 AAS



8: ◆dTsdr7bVTg[saga]
2019/08/18(日) 19:47:53.28 ID:All9ssB20
〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜

宿屋の主人「じゃ○んで予約の勇者ご一行様ですね。シングルを4部屋お取りしておりますので、お一人ずつこちらにご記入願います」

戦士「おお僧侶、やったではないか」
以下略 AAS



9: ◆dTsdr7bVTg[saga]
2019/08/18(日) 19:50:04.94 ID:All9ssB20
宿屋の主人「ところで皆様、お食事はお済みでしょうか?」

勇者「いや、素敵な仲間たちのおかげで飲まず食わずなんですよ」チラッ

僧侶(反応したら負けですよ)
以下略 AAS



10: ◆dTsdr7bVTg[saga]
2019/08/18(日) 19:51:24.35 ID:All9ssB20
勇者「何だ何だ? みんな俺のことを誤解していないか? アルハラとかしないと思うよ? セクハラもしない可能性だってあるよ!」

僧侶「その恐れはもちろんありますけど! それだけじゃなくてですね……」

魔法使い「あのギャラリーを見なよ」
以下略 AAS



11:名無しNIPPER[saga]
2019/08/18(日) 20:06:08.01 ID:vebNTMWS0
どこでもドアだな


12: ◆dTsdr7bVTg[saga]
2019/08/18(日) 20:44:42.03 ID:All9ssB20
〜〜〜〜〜(数ヶ月後)〜〜〜〜〜

勇者「このあたりまで来ると、魔物の数が段違いに増えるな」

戦士「平原に魔物の群れがいるのが当たり前になっているとはな」
以下略 AAS



13: ◆dTsdr7bVTg[saga]
2019/08/18(日) 20:46:24.31 ID:All9ssB20
魔法使い「大変よ……っ!」

勇者「大変なのは俺の立ち位置だよ! 正論が一切通らないよ!」

魔法使い「平原でなにふざけてるの!」
以下略 AAS



14: ◆dTsdr7bVTg[saga]
2019/08/18(日) 20:48:37.79 ID:All9ssB20
勇者「王国の置かれてる現状について、王国なり教会なりがちゃんと教育しようよ」

僧侶「人々の機微は、教えてどうなるというものではないですからね……」

戦士「ここはやはり正々堂々、正面から戦いを挑むべきであろう」
以下略 AAS



15: ◆dTsdr7bVTg[saga]
2019/08/18(日) 20:50:44.69 ID:All9ssB20
勇者「そこは老舗で国王公認の宗教である教会が頑張れよ!」

勇者「気に入らない勢力を弾圧して迫害して高笑いするのは神のオハコだろ?」

勇者「もう一回『魔女狩り』やっちゃえよ! 官製ホロコースト万歳!」
以下略 AAS



16: ◆dTsdr7bVTg[saga]
2019/08/18(日) 22:08:25.88 ID:All9ssB20
〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜

勇者「皆さん、この丘を越えれば大きな街が見えてきます。もう少しの辛抱ですよ」

勇者「私は、圧倒的な劣勢をものともせず、果敢に魔物に立ち向かった皆さんを誇りに思っていますよ」
以下略 AAS



17: ◆dTsdr7bVTg[saga]
2019/08/18(日) 22:11:07.49 ID:All9ssB20
〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜

戦士「いや勇者、かたじけない」

僧侶「まさか、勇者さんが私たちを蘇生させてくれるとは思いませんでした」
以下略 AAS



18: ◆dTsdr7bVTg[saga]
2019/08/18(日) 22:12:22.98 ID:All9ssB20
僧侶「では早速明日にはこの街を出発しますか?」

勇者「ここから先は魔物の数も増えるだろうし、北方にたどり着くまで大きな街もないから、明日は装備品なんかを整えておきたいな」

ブーブブッ ブーブブッ
以下略 AAS



19: ◆dTsdr7bVTg[saga]
2019/08/18(日) 22:14:30.51 ID:All9ssB20
戦士「なんと! 奴らの目的は何だ!」

僧侶「この街にはいつごろ到達しそうなんですか?」

魔法使い「国王軍の動きはどうなってるのかしら?」
以下略 AAS



20: ◆dTsdr7bVTg[saga]
2019/08/18(日) 22:16:26.00 ID:All9ssB20
僧侶「魔王軍の狙いは何でしょうか?」

戦士「この街を制圧して魔王軍の拠点にするには、魔物の多い地域から離れすぎている。勇者を中心とする我々魔王討伐隊を叩くのが目的と考えていいだろう」

僧侶「だとすると、私たちの行動が魔王軍に知られているということになりますよ」
以下略 AAS



21: ◆dTsdr7bVTg[saga]
2019/08/18(日) 22:17:34.96 ID:All9ssB20
戦士「この街の守り方と我々の進み方は切り離して考えられぬ問題なのだ。拙速な行動は事態を悪化させると思うが」

僧侶「そうなると、私たちもこの街の防衛に参加することになるんでしょうか」

勇者「魔物の目的は俺達なんだろ? 俺達がこの街にいなければこの街も安泰だろ?」
以下略 AAS



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