11:名無しNIPPER[saga]
2019/09/09(月) 20:06:16.42 ID:W6D0RAKy0
 「海……」 
  
 言われてみれば、潮の香りを感じる気がする。 
  
 「海は好き?」 
  
 「……わからない」 
  
 わからない。 
  
 仕事で何度も行っているけれど、そこで思うのは撮影のために晴天だったらいいとか日焼けに注意だとかそういうことばかりで、好き嫌いは考えたことはなかった。 
  
 「あたしも」 
  
 それだけ言って、少女は電車を降りた。 
  
 きっと、海へ行くのだろう。 
  
 俺も続けて電車を降りた。 
  
 今朝からずっと重かった足が、少し軽くなった気がした。 
  
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