【鬼滅の刃】胡蝶しのぶ「双蝶求水」【義勇×しのぶ】
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4: ◆K1k1KYRick[sage]
2019/09/11(水) 07:42:40.12 ID:6LtJ1zmX0
「……」

皆が寝静まった夜闇、いつもと異なる黒色の羽織をひらつかせながら、私は水柱の屋敷に出向いた。
番人の隊士はあろうことか居眠りをしている。
いつもなら怒る所だけど今夜に限っては都合が良い。
塀を越え、庭に降り立つと私はまっすぐ義勇さんの私室へと向かった。
障子を開けると、彼は静かな呼吸で眠っていた。
屋敷へと戻る際に、義勇さんへ水筒を渡したのだけど
流石に彼も私が水筒に薬を盛った事には気づかなかったようだ。
鬼を倒した帰りで疲れていたせいもあるだろう。
ただその睡眠薬は丁度この時間に眠るように調合したもので、一度寝たら朝まで何があっても起きない。
夢くらいは見るかもしれないが、覚醒する事は皆無に等しい。

「もしも〜し、大丈夫ですか〜?」

枕元に立って下に横たわっている義勇さんに声をかける。
案の定彼は泥のように深く眠っていた。
雲間から覗いた月明かりが、端正な彼の顔立ちを照らしている。

「綺麗な顔……」

私は溜め息をほぅとついた後、羽織を脱いで火照った肌を晒した。
自らの内にある気持ちに逆らえず、そのまま体を重ねる。
何も知らずに眠っている彼の唇に接吻し、彼の素敵な匂いを
間近で嗅ぎながら妖しく舌を歯列に這わせた。
やがて舌は口から抜け出て、彼の太い首筋、悩ましい鎖骨
逞しい胸へと降りて行き、やがて袴の下に隠れていた象徴と逢った。
私は乳を恋しがる童児のように息を乱してそれを心行くままに吸い食む。
ただ月のみが私の罪の姿を覗いている。
気持ちが定まらないまま、私の内にこだまする彼を求める声を抑えきれなくなった私は
夢遊病者のように理性に反してこのような破廉恥な行動に出てしまった。
彼を受け入れれば、気持ちが大きくそちらに傾く事を期待して……。
浅ましい牝獣になった私は首をもたげた後、彼に跨がり、切なくてたまらない箇所を慰めた。
彼の逞しい形が、熱が、私の奥にある獣性を揺さぶる。
私は目蓋を半分落として早くも蕩けながら、彼のを自らの内へと導いた。
鈍い痛みを堪えながらゆっくりと腰を降ろして、彼の形を味わう。
内に炎が宿るような感覚に震えながら、ゆっくり、ゆっくりと欲するままに慰めていく。
ああ、こうしてみると全ての事をかなぐり捨てて、彼と結ばれたくなってくる。
鬼殺隊員である前に私は人間で女だったのだと思い出させてくれる、この感覚、この情念。
自らの胸を弄びながら、彼と自らを慰めながら、共に天にも昇ろうと舞っていたその時だった。

「カナエ……」

それは小さく、聞き逃してしまいそうなほど低い声だったが
私は冷水を浴びせられたような心地で我に返った。
彼が何を夢の最中に見ていたのかは分からない。
ただ、水に落ちた鮮血のように広がっていく羞恥に、夢から醒めた私は抗えず赤らんだ。
まだ薬は効いているはずで、見られる事もないのに顔を思わず手で隠して身を震わせた。
……姉さん、ごめんなさい。
やはり私はこれ以上、姉さんの影を見ながら、添い遂げられない……。
私は逃げ出すように服を纏い、その場から去った。

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