6:名無しNIPPER[sage]
2019/10/20(日) 23:49:27.69 ID:06K62MaI0
「シャミ子、シャミ子……頑張って」
シャミ子はもう言葉も話せなくて、ずっと必死に呼吸しているだけだった。すごく痛いんだという事だけが、嫌というほど伝わってきた。
他人を癒す力なんて都合の良いモノは、魔法少女には備わっていない。
エーテル体を無理やり補うくらいならできなくは無いけど、それも相手が魔法少女の場合だけ。
こういう時にどうするべきなのか、私には何も分からなかった。医療の知識だって、無い。
無力な自分が恨めしい。幾度となく経験した筈の気持ちが、今までにないくらい重く、強くのしかかる。
どうしよう、シャミ子、どうなるんだろう。まさか、このまま──
救急車が来るまでの十数分間、私は、自分が息をしていたかすらも分からなかった。
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