タイトルを書くと誰かがストーリーを書いてくれるスレ part7
1- 20
354:名無しNIPPER[sage saga]
2020/11/10(火) 20:50:28.51 ID:EN0fctM+0
>>353続き

 幽霊? ぼくが動揺する間に、女性はさらに続けた。

「なんで気づかないんですか、自分がおかしいことに。それで大丈夫だと思ったんですか。

 それ自体は、あなたにとって不都合はなかったかもしれません。

 ですが、それを見た人たちが、どう思うかちっとも考えないんですか? 気づかないんですか?

 もしかして、自分を見ないんですか。それが他の人にどれだけ不快感を与えるか、考えても見なかったんですか、ひとでなし!

 透けてるんです、バカ、ド腐れ、粗大ごみ!」

 はっとして胴体を見た。本当に透けていた。しかし色はわかったし、輪郭もあってちゃんとぼくは存在していた。ただ、向こう側がまるで色つきガラスみたいに透けて見えるのだ。

 女性が鞄でぼくを叩いて走り出した。それをぼくは呆然としてみていた。意識が曖昧になってきた。視界も輪郭を失ってきた。音と光と温度とにおいがそれぞれの独立を失って混ざりつつあった。

 そしていつしか、全部がおなじ状態になりついには何もなくなった。すでにぼくはなくなって、空気の中へ溶け込んだ。


<<前のレス[*]次のレス[#]>>
1002Res/320.18 KB
↑[8] 前[4] 次[6] 書[5] 板[3] 1-[1] l20




VIPサービス増築中!
携帯うpろだ|隙間うpろだ
Powered By VIPservice