タイトルを書くと誰かがストーリーを書いてくれるスレ part7
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名無しNIPPER
[sage]
2022/07/22(金) 21:45:26.53 ID:GORkxhdfO
>>991
「猫の墓」
久しぶりに兄貴の家に泊まりに行った。
兄貴の家は山奥にあって、ここで夫婦できのこの栽培をしている。
「いらっしゃーい!夕飯はきのこ鍋でいいよな」
兄貴はおたま片手に笑顔で出迎えてくれた。陰気で恋愛に奥手な兄貴でも、嫁ができたらこうも変わるのかと驚いた。
「随分デカい家だな。高かったんじゃないか」
「そうでもないよ。こう人里離れたとこだと格安で買えるんだ。東京の土地代くらいの値段で土地と家両方買えるんだよ」
「それでも大きいよ。三階建てって……」
「儲かるからね。作ってるきのこ、漢方にも使うから」
三階に客間があって、私は重い荷物をやっとこさ運びいれた。ここ最近続いた日照りのせいか汗が玉のようになっていた。
ふと二階から庭を見ると庭に山があった。
気になって階段を降りて見る。山、というよりは小さな砂山といった方がいいだろう。人の背丈の四分の一ほどの高さだ。材質は砂ではなく、湿った土だった。
「何してるんだ?」
「ああ、何があるのか気になって…」
「それね、猫の墓なんだ」
私は驚いた。猫嫌いで、小学生の頃は道端で猫を見かける度に石を投げてた兄である。その兄が猫を飼うなんて。
「猫嫌いじゃなかったか?」
「嫁の影響でね。平気になったんだがすぐ病気にかかってね。ぽっくりいったよ。そろそろご飯にしよう」
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