高森藍子「加蓮ちゃんと」北条加蓮「お互いを待つカフェで」
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20:名無しNIPPER[sage saga]
2019/11/17(日) 19:02:43.28 ID:i6ln0z2d0
できれば加蓮ちゃんを待ってあげたかったけれど、カップの湯気はもう見えなくなってしまいましたから。
半分くらいを一気に飲んでしまいます。甘くとろけた感触が全身に行き渡っていきます。少し内側に寄っていた両足を軽く伸ばして、そうしたら体がほかほかとしてきました。
弱暖房の風が首筋を流れていくので、ジャンパーを脱いでみました。途端に温かみがぜんぶ外へ逃げていってしまって、慌てて羽織り直します。ボタンを留めた後、手にほんの僅かに金属の感触が残ってしまいました。指先をこすり合わせて、静電気が少し怖いので、てのひらで長椅子に触れました。


藍子「……加蓮ちゃんを」


「加蓮ちゃん」という文字を、よく見るようになった意味。
私と加蓮ちゃんが、よく一緒にいること、ファンのみなさんも、それを知っているってこと――という意味も、あるかもしれませんね。モバP(以下「P」)さんも、それに合わせてお仕事を持ってきてくださいます。
お仕事の現場や、ラジオの収録、LIVE中のMC。それぞれの場所で、「加蓮ちゃん」と口にするのと、ここで「加蓮ちゃん」って呼ぶ違いに、もう慣れてしまうくらいに。

でも、きっとそれだけじゃない。


藍子「加蓮ちゃんを……」


誰も聞いてないよね? 1回だけでは足りなくて、2回、3回も確認します。スマートフォンは、着信を告げていません。


藍子「知ってる方も、見ている方も、……愛している方も」


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