高森藍子「加蓮ちゃんと」北条加蓮「お互いを待つカフェで」
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22:名無しNIPPER[sage saga]
2019/11/17(日) 19:03:42.75 ID:i6ln0z2d0
ページをまた1枚めくります。逃げた先に自由の場所があった時のように、好きなことを書ける白紙が出迎えてくれます。
また加蓮ちゃんの名前を記して、それから「知っている人」と足して。唇の先に薬粒を押し当てたような苦さが生まれて、そうしたら、そのタイミングで加蓮ちゃんからのメッセージが来て……。
5秒だけ。間を置いてから。スマートフォンへと手を伸ばしました。


加蓮『あと5分!』

藍子『焦らなくても、大丈夫ですよ』


返信を送り終えると共に、なんだか何かをやり終えたような気持ちになりました。心の四隅に生まれた薄灰色の靄も、窓から外の日陰も、きれいさっぱり消えてしまっています。
荒く書いた「知っている人」に、力を抜いた手で二重線を引いて、「好きな人」と書き直します。
1.5文字分のスペースを空けてから「いっぱい」と書くことに、抵抗はありませんでした。

残り半分のココアの、さらに半分を口に運びます。ほのかな暖かさと甘さに、身を委ねます。


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