ハリー・ポッター「僕の言うことを聞け」ドラ子・マルフォイ「……はい」
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名無しNIPPER
[sage saga]
2019/12/07(土) 22:35:23.08 ID:kNKMPaOnO
「ハリー! 大変だよ! どうしよう!」
「どうしたんだ、ロン。そんなに慌てて」
「ハーマイオニーが戻って来ないんだ!」
フィルチの件は腑に落ちないものの、校長に睨まれたこともあり、監督生に連れられて大人しく寮へと戻る最中、酷く取り乱した様子のロンがハリーの元へと走ってきて、ハーマイオニーが未だにトイレから戻って来ないと訴えた。
「ロン。とりあえず落ち着こう。もしかしたらうんこが長引いてるだけかもしれないだろ?」
「いくらうんこにしても長すぎるよ!」
「それもそうか……僕も心配になってきた」
たしかに彼の言う通りだった。長すぎる。
もしかしたら、彼女に何かあったのかも。
俄かに不安が募るが、ドラ子は冷たい口調で。
「穢れた血なんてほっときなさいよ」
「なんだと!? もういっぺん言ってみろ!」
未だにハーマイオニーを嫌悪しているドラ子のあまりの言い草にロンは激怒して、掴みかかったが、そんな彼を抑えて、ハリーは尋ねた。
「ドラ子、スネイプ教授の言葉を覚えているかい? 教授は以前、こう言っていた。素晴らしい素材が、素晴らしい結果を生み出すのだと」
「ええ……覚えているわ」
ハリーはなるべく優しく、先程の話をした。
「さっきまで、僕はとても幸せだった」
「私だって……とても幸せだったわ」
「君と仲直りが出来て、本当に嬉しかった」
「私も……嬉しかったわ」
そこまで認識を共有していると確認してから。
「君と仲直り出来たのはハーマイオニーのおかげなんだ。だから素晴らしい結果が生まれた」
その事実を告げるとドラ子は激しく狼狽えた。
「そんな……嘘よ……」
「嘘じゃない。事実だ」
愕然とするドラ子に、ハリーはそれまでの優しい声音ではなく、恐ろしく冷たい声で問うた。
「ドラ子、君は穢れた血に借りを作ったんだ」
「き、貴族の私が、穢れた血に借りなど……」
「ドラ子・マルフォイ」
気づくと、ドラ子の眼前には上位者が居た。
「貴族の端くれならば、借りた恩は返せ」
「わかり……ました」
ドラ子は深々と頭を下げて、命令に従った。
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