2: ◆TOYOUsnVr.[saga]
2019/12/08(日) 20:19:54.57 ID:clFucneV0
   
  受付を後にして、そのまま建物を出る。  
    
  訪れた芸能プロダクションの敷地からしばらく離れた後で、すぅと息を吸い込み鬱々とした気持ちを最大限乗せて大きく吐き出した。  
    
3: ◆TOYOUsnVr.[saga]
2019/12/08(日) 20:22:06.68 ID:clFucneV0
  
 さて、ここからがようやく本題。 
  
 私が彼を尋ねた理由。 
  
4: ◆TOYOUsnVr.[saga]
2019/12/08(日) 20:24:03.32 ID:clFucneV0
  
 ○ 
  
 決意が固まったあとの私の行動は迅速だった。 
  
5: ◆TOYOUsnVr.[saga]
2019/12/08(日) 20:24:50.83 ID:clFucneV0
  
 ○ 
  
 自室の収納ケースをひっくり返し、アイドル時代に使用していたスケジュール帳を三冊、つまりは三年分取り出して、再び家を出た。 
  
6: ◆TOYOUsnVr.[saga]
2019/12/08(日) 20:26:00.53 ID:clFucneV0
  
 ○ 
  
 喫茶店に入り、席に通されるのと同時にコーヒーを注文し、早速今後の方針を決めるため、持ってきた荷物を机上に広げた。 
  
7: ◆TOYOUsnVr.[saga]
2019/12/08(日) 20:27:37.04 ID:clFucneV0
  
 ■ 二章 体験入部 
  
  
 その夜はひどく冷え込んだ。 
8: ◆TOYOUsnVr.[saga]
2019/12/08(日) 20:31:04.92 ID:clFucneV0
  
 威圧するような、あまりに大きなその声は、初めは私に向かって飛んできたのだと思ったけれど、周囲にそんな声を発している人間はいない。 
 立ち止まり耳を澄ませると、どうやらそれは一つ先の曲がり角から発せられているらしいことが分かった。 
  
 覗いてはいけない。 
9: ◆TOYOUsnVr.[saga]
2019/12/08(日) 20:33:23.15 ID:clFucneV0
  
 うそ。 
  
 なんとかなっちゃった。 
  
10: ◆TOYOUsnVr.[saga]
2019/12/08(日) 20:35:58.92 ID:clFucneV0
  
 やがて到着したのは、駅に程近い小さな公園だった。 
  
 肩で息をしながらベンチに腰掛ける男性に続き、私もその隣へ少し間を空けて座る。 
  
11: ◆TOYOUsnVr.[saga]
2019/12/08(日) 20:38:52.85 ID:clFucneV0
  
 「それで、ここからが本題。渋谷さん、アイドルになりませんか?」 
  
 「えっ。……えっ?」 
  
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