3: ◆hhWakiPNok[saga]
2019/12/28(土) 13:20:51.25 ID:G9OiTGlK0
P「あ、いや。買うつもりはないんだ。ただ、懐かしくてつい……あなたこそどうぞ」
言いながら可笑しくなった。
相手は若い女の子だ。おそらく高校生ぐらいだろうが、そんな娘が、俺が担当していたような時代のアイドルに興味があるはずがない。
蓮実「いいんですか? では、お先に失礼しますね」
なんとそう言うと彼女は、にこにこしながらLDを手に取ると、熱心にジャケットの表も裏も眺めている。
蓮実「あ、これ武道館ライブのLDだ。うわあ、フフフフフンフーン♪」
店内は少しほこりっぽく、天窓から太陽の光が射し込んできて、それはチンダル現象を引き起こしながら控えめにキラキラと光っていた。
その光の柱の中で、その娘は目を閉じてハミングをしながら、懐かしい振り付けを踊っていた。
俺は一瞬、自分がどこにいるのか忘れた。
舞台袖から見る、あの光景が目の前に広がったようだった。。
アイドルが神聖視されていた、あの時代に自分が還ったような気がした。
蓮実「……あ」
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