5: ◆hhWakiPNok[saga]
2019/12/28(土) 13:22:33.45 ID:G9OiTGlK0
俺は、きっと彼女は大きく頷くだろうと思っていた。
見るからに可愛い。そしてそれだげなく、清純な雰囲気。
アイドルが好きだと聞き、きっと喜んでOKをしてくれると思いこんでいた。
蓮実「……私は……」
P「ん?」
蓮実「私が憧れているのは、今のアイドルじゃないんです。こういう……お母さんが大好きだった、昔のアイドルなんです」
まるで隠れるように彼女は、LDを俺の前にかざしながら言った。
なるほど。母親の影響か。
それにしても、アイドルも様変わりした。
以前のアイドルは、確かに日常からはかけ離れたイメージで捉えられていた。
どこかおとぎ話のような……だがそれだけに夢に彩られた存在だった。
蓮実「もちろん。今のアイドルも好きです。みんな可愛いし、ダンスとか曲もすごく楽しいです。でも、私がなりたいのは……」
そうか。
この娘は、わかってる。現実を理解している。
夢の世界から来たようなアイドル。
一定の距離をおいて、応援してくれるファン。
今はもう、そういったものはないのだ。
時代の流れの移り変わりに、過ぎ去ってしまったのだ。
俺だってそれは、わかっている。
160Res/115.92 KB
↑[8] 前[4] 次[6]
書[5]
板[3] 1-[1] l20