逢坂大河「たまにはいいのよ、たまにはね」
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3:名無しNIPPER[sage saga]
2020/01/23(木) 02:34:19.71 ID:VkxCchnrO
「あんたさ、前髪切らないの?」
「切らない」

あれから今晩ママを借りる埋め合わせとして、食べ終えた食器をパパと2人で洗った。
パパは嬉しそうにしながらも、横目で私のことをチラチラ伺っていて、挙動不審だった。
たぶん、何か言いたいことがあるのだろう。
けれど、それはきっとどうにもならないこと。
だから、パパは洗い物を手伝ってくれてありがとうとだけ言った。そんな優しいパパが好き。

その後、お風呂に入ってから髪を乾かしていると枕を抱えた母が部屋に来て、私の長い前髪を切らないのかと聞いてきた。すぐに拒否した。
すると、母はおもむろにハサミを取り出して。

「私が切ったげよっか?」
「い、いいっ! いいからやめて、ママ!」
「安心しな。可愛くしたげるから」

ママは不器用な癖に妙に自信家で困りものだ。
チョキチョキハサミを鳴らして気分は美容師のようだけど私の目には猟奇的にしか映らない。

「あんた、せっかく可愛いのに勿体ないわ」

嘘だ。
それは私がママの娘だから。贔屓目だ。
一般的な可愛さからはかけ離れている。


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