オーゼン「少し席を外すよ」ボンドルド「おやおや、素晴らしい。うんこですか?」
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名無しNIPPER
[sage saga]
2020/01/30(木) 21:21:20.61 ID:7R3ITGP6O
南海べオルスカの孤島にて発見された巨大な縦穴はアビスと呼ばれ、謎の力場に包まれたその不可思議な奈落の底を目指して遙か昔から数多の探窟家が潜り、そして命を落としていった。
未だアビスの底に辿り着いた者はおらず、文字通り底知れぬ縦穴は七つの階層に分かれており、階層をひとつ下りるごとに地上への帰還を妨げる上昇負荷という名の呪いをかける。
無論、下層へ向かうほど原生生物の脅威は増すが、何よりも探窟家の足かせとなっているのは先述した上昇負荷であり、特に深界五層以降の上昇負荷は命の危険を伴う強烈なものとなる。
端的に言うと、六層から帰還した者はいない。
必然、五層まで潜れる者も限られており、探索家のランクをわかりやすく表している笛の色で例えるならば、最高ランクの白笛の領域だ。
さて、そんな深界第五層、なきがらの海。
そこにはアビス攻略最前線の基地がある。
太古の昔、祈祷場として使われていたとされる巨大な建造物が六層の入口を取り囲んでいた。
「ざまぁないね、ボンドルド」
その基地にはひとりの白笛が居を構え、上昇負荷を克服するべく非人道的な研究と実験を繰り返していた。彼の名は、新しきボンドルド。
黎明卿と呼ばれし、白笛屈指のろくでなしだ。
「おやおや。これはこれは……素晴らしい。もう相当なご高齢でしょうに、わざわざここまで下りてくるとは思いませんでした……オーゼン」
ひび割れた仮面から感情が欠如した瞳で来訪者である白笛の不動卿、動かざるオーゼンを見据えたボンドルドは場違いな程丁寧に出迎えた。
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