33: ◆yufVJNsZ3s[saga]
2020/02/10(月) 01:20:56.50 ID:CDwt0mRk0
時間の感覚は麻痺していた。だから、Pサマがやってきたのが、それから十分後なのか二十分後なのか、はたまた一時間後だったのか、どうにも曖昧の中へと沈んでいる。
ぼくはゲロの海の中に沈んでいた。つんとした刺激臭が鼻を刺す。それでも動く理由にはならなくて、髪の毛や肌を掻き毟りたくなる衝動を必死に抑えるので精一杯。
Pサマはそんなぼくを一目見て、「ひでぇな」とぽつり、呟いた。その意見にはぼくも同意だった。
「勝手に入った。悪い。インターホンは鳴らしたが」
「う、うん。大丈夫。聞こえてたから」
「体調は、平気か。吐いただけか。頭痛とか、腹痛は。熱は」
「ない。ないけど……あ、でも、ちょっとだけ、頭がぐるぐるしてる」
「平気か」
「……平気だよぅ」
嘘と本音は半分ずつ。
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