7: ◆yufVJNsZ3s[saga]
2020/02/10(月) 00:44:23.70 ID:CDwt0mRk0
まぁ、駆け出しのアイドルなんてそんなもんなんだろう、という達観も確かにあった。ぼくが稼いでるお金より、ぼくに使ってくれているお金のほうが全然多いはずだ。
そもそもこの事務所、母体は中堅どころのそこそこ有名な会社だけれど、その一部門としては極めて零細。ぼく以外のアイドルだって片手で数えられるくらいだから。
「こいつは甘やかすと調子に乗るタイプだろうが」
睨みつけるような目線をもらった。誰だって甘やかされたいもんじゃん? とは思ったものの、口には出さない。
「そうですよ」とちひろさん。せめて否定してほしかった。「だから、言ってるんです」。
甘やかされてるんだろうか。甘やかされてるんだって! やったー! ……とは、さすがのぼくでもならない。実感を伴わない事実に大した意味はない。
Pサマは頭をがりがりと掻いた。端正な顔立ちが不機嫌そうに歪む。その顔もまた、カッコいい。
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