鬼滅の刃ss 我が子のために・・・
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9:名無しNIPPER[saga]
2020/03/25(水) 23:35:59.33 ID:CTG1QIS00


「よかったらちょっと触ってみない?」


女将さんの厚意に甘えて俺はお腹に耳を当ててみた。
善逸ほど耳がいいわけじゃないがお腹越しから赤ちゃんの心音が伝わってくる。
こうしていると昔を思い出すな。幼い頃に母ちゃんのお腹から生まれてくる弟妹の心音を聴いていたな。まるで死んだ母ちゃんを思い出す。
同じくお腹に耳を当てている禰豆子も穏やかな顔でその心音を聴いていた。
そういえばこうして平穏なひと時を味わうのは久しぶりだよな。
ここ最近は物騒なことばかりが続いていたからな。けど感慨に浸っている場合じゃない。
禰豆子もいずれは誰かと結婚して母親としてお腹に子を宿す時が来るのだろう。
だけど今のままじゃそんな平穏な未来など訪れはしない。
早く鬼舞辻を倒して禰豆子を人間に戻さなきゃならないんだ。


「ありがとうございます。早く元気な子が生まれてくるといいですね。」


「うちの嫁は今回が初産なんだ。けどこの尻なら安産なのは確実だよ!ハハハ!」


「もうアンタったら!」


旦那さんは女将さんのお尻を自慢するかのようにバンバンと叩いてみせた。
いやいや、妊婦さんなんだからそこは勞ってあげないと…
それにしても子供が生まれるなんてめでたいな。
けれどこの村には鬼が出没している。まだ何処に潜んでいるのかわからない。
ひょっとすれば妊婦の女将さんを襲う可能性だって十分にありうる。


「お嬢ちゃんも将来はいいお母さんになるんだぞ。」


旦那さんがいまだに女将さんのお腹をさすっている禰豆子に笑顔でそんな事を言っていた。
この夫婦の笑顔を絶やしてはならない。鬼殺隊の隊士として俺は全力でこの家族を守る。
それが俺の使命だ!




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