【異種族レビュアーズ】デミア・デュオデクテット「モーツァルトより愛をこめて」
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2: ◆K1k1KYRick[saga]
2020/03/28(土) 13:07:34.30 ID:U4w5g7l00
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「従来の錬金法では生成物の収量が芳しくありませんが、この魔道をこのように応用すれば……」

吾輩は適当な宿屋を借りて彼女に早速講義をお願いした。

その知識は吾輩の想像以上だった。深遠なる叡智の奔流とでも形容すべきか。

なるほど、これは他のしゃちほこばった高位魔道士の寝惚けた講義を聞くよりもずっと有益である。

彼女は吾輩の理解度に合ったカリキュラムを即座に立ててくれた。

後はそれに沿って無理なく学習していけばいいのだ。

勉学に励んでいた遠い学生の頃に戻ったような、若々しい気分で授業を受ける事が出来た。

これほど知的好奇心を刺激された経験はかつてなかった。

惜しむらくは、デミア女史に教鞭を取り後進を導く意志が希薄な所だろうか。

一応優秀な弟子が数人いるとの事だが、研究の片手間に軽く教える程度だという。

限りある貴重な時間を、研究以外に浪費するのは勿体ないのだそうだ。

研究に没頭していた吾輩にもその理屈は良く分かる。

適性のある者に限ってその職に就いていない。

適性のないものに限ってその職で威張って恥を晒している。

世界とはそういうものだ。


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