王馬「大変だ!オレが行方不明になっちゃった!」
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12: ◆DGwFOSdNIfdy[saga]
2020/04/06(月) 22:06:42.95 ID:0cDFbGMk0
赤松「……と、思うよ?」

王馬「似てないなぁ」

赤松「似せる気無いし」

王馬「ゲームやったの?」

赤松「原作に手を付けたのは最近だよ。初見は舞台」

王馬「先にゲームしないと駄目でしょ」

赤松「うん、やった後に痛感した。でもゲームはどうしても苦手で…」

王馬「初期ロンパはゲームが至高だよ。元がゲーム作品なんだから」

赤松「キミは2が好きなの?」

王馬「2っていうか2のチャプター5だね。個人的にアレは300以上の殺人の中でも屈指の事件だと思ってるよ。まだ完全に二次元だった頃の初期ロンパならではのギミックだよね。だからこそシリーズファンの好き嫌いも分かれ易い」

王馬「死体のエグさも初期にしては結構頑張った方で、当時のプレイヤーには衝撃的だったらしいよ。直前のロボで物足りなさを感じさせてからのアレだからね。まぁ今見たら大してグロくもないんだけど」

分かってない。全然分かってない。初期、特にゲーム作品のダンガンロンパはグロと悲惨な人間ドラマを、悪趣味さで茶化す事に依ってオブラートで包んでいるんだ。その薄皮1枚が要だっていうのに。初期ファンの癖にそんな事も理解できないのか。

赤松「で、なんの話をしてたか憶えてる?」

王馬「ああ、オレばっかり話してごめん」

赤松「いいよ。もう話せるようなエピソードも無いし。つくづく私の人生って薄っぺらかったね」

王馬「いやいや、参考になったよ。話しにくかったろうにどうもありがとう」

赤松「王馬くん、見付かるといいね」

王馬「そう簡単に上手くいけば苦労しないよ」

赤松「それにしても…最原くんは大丈夫なの?」

王馬「さあね」

誰かが近付く気配を感じた直後、脇腹に固いものが触れて思わず身体を強張らせてしまった。

王馬「ね、やっぱ気絶してないでしょ最原ちゃん。死んだフリ止めなよ」

バレてしまったなら仕方が無い。目を開けると王馬くんがローファーの爪先で僕を小突いてるのが見えた。なんとか重い頭をもたげてへらりと言ってみせる。

最原「もう起きた」

王馬「さっさと次行くよ」

最原「何もこんなになるまで打ち付けなくていいじゃないか。怪我しても帽子で隠せるからまだよかったようなものの」

努めて戯けたけど僕は内心ではびくびくしながらブレザーの袖で顔を拭った。血が滲みて、中のYシャツに真っ赤な染みが出来た。それは決して蛍光ピンクなんかじゃなかった。


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