王馬「大変だ!オレが行方不明になっちゃった!」
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27: ◆DGwFOSdNIfdy[sage saga]
2021/09/06(月) 13:05:15.51 ID:bFx4l9Cr0
???「最原ちゃん」ポン

最原「わっ?!」

いきなり肩を叩かれて驚いた。思わず振り返って、その人の正体が王馬くんである事を確認した。

彼からは仄かに合成グレープソーダの匂いがする。薄い要素とは言え、目の前の人物から王馬小吉っぽさを感じ取れて、少し安心した。

最原「なんだ、王馬くんか。……僕の知ってる王馬くんでいいんだよね、多分」

王馬「うん。キミはこんなところで何してたの?」

最原「僕の科白だよ。そっちがいきなり飛び出してどこかに行っちゃったから困ってたのに」

王馬「ああ、もう大丈夫だから心配しなくていいよ」

最原「別に心配はしてないよ。キミの事なら厭ってくらい分かってるから」

王馬「オマエにオレの何が分かるんだよ!」

最原「何にも分からない事を分かってるっていうか、思い知らされてるっていうか、諦めてるっていうか」

王馬「そんなんで知ったような口を利くなよ」

最原「それより、訊いておきたい事があるんだけど」

王馬「露骨に話を逸らしたね…。いや、訊くのは全然構わないよ」

最原「アレは王馬くんじゃないって事でいいの?」

僕は、相変わらず猛獣に噛り付かれている王馬くんっぽい人を指し示した。

王馬「体育館で会った人じゃん」

最原「だよね。なんでこうなったのか知らないけど」

王馬「オレ、あの人が喰われてる?ところをずっと観てたけどさぁ─」

最原「あ、じゃあ僕より先にここにいたんだね。観てたっていうのは、やっぱり見極めるため?」

王馬「ただグロいのが好きだから観てただけ」

最原「えぇ…」

王馬「血とか内蔵とか、赤くてぬらぬらしててなんかエロいんだよ」

最原「YouTubeで魚捌く動画を永遠に観てればいいのに」

王馬「そういう意味ではオレが観たいものとは違ったし、飽きたからもういいよ」

最原「どうせあの人の血は赤くないだろうしね」

王馬「というワケで、本来の目的を果たしに行こうか。次はあの部屋に入るよ」


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