王馬「大変だ!オレが行方不明になっちゃった!」
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49: ◆DGwFOSdNIfdy[saga]
2024/02/23(金) 22:49:17.74 ID:4yhwoek00
赤松(何が起こっているんだろう)

???「俺に関してはホント気にする必要無いんで…えーっと…今はとにかく楽しい事でも考えるっす!」

赤松(天海くんが天海くんを羽交い締めにしている……ように見える)

血塗れの天海「離せ!」

血塗れじゃない天海「俺は赤松さんをこんなに怨んでなんかいないっす。『これ』はキミの罪悪感が生んだ幻っす」

赤松(正直、天海くんらしき人が何を言っているのかよく判らなかった。…だから自分はどうするべきなのかもいまひとつピンと来なかった)

血塗れじゃない天海「俺の憶測が正しければ、こいつを消せるのは赤松さんだけなんすよ」

赤松(混乱の最中、投げ掛けられた言葉をどうにか飲み込めるように咀嚼してみた)

赤松(取り敢えず瞑目して眼前の情報をシャットアウトする。天海くん?は楽しい事を考えろなんて言ってたっけ)

赤松(真っ先に浮かんだのは、初めて映画館に連れて行ってもらった時の思い出だった。お父さんが買ってくれたポップコーンの容れ物はまだ幼かった私には両腕で抱えなければならないほどの大きさで、食べ切れるのかと不安になったのを憶えている)

赤松(回想がそこまで及んだ時、間近で何かが破裂したような気配を感じて反射的に目を開けた)

赤松(『何か』は最初に現れた方の天海くんだった。彼は千々の肉片…ではなく、なぜか大量のポップコーンになって雨霰と散り掛かった)

天海「赤松さん、お腹空いてたんすか?」

赤松「そういう訳じゃないけど…」

天海「冗談っす。どうやらここでは、飢えや渇きも含めた身体の感覚全般が失われるみたいなんで」

赤松(私たちは苦笑いしながら、髪や服に付いたポップコーンをはたき落とした)

赤松「あ、ずっと気になってた事言っていいかな」

天海「どうぞ」

赤松「私たち、なんでお互いの姿を見たり声を聞いたり出来るんだろう?もう目も耳も無いはずなのに」

天海「確かに不思議っすよね。実際に見聞きしてるんじゃなくて魂で感じてるとか?」

赤松「なるほど。肉体的な感覚が無くなった代わりにいわゆる第六感?みたいなものがはたらいてるのかもね」

天海「そもそも感じてすらいないのかも知れないっすけど」

赤松「え?」

天海「あー、ちょっと大きめのひとり言っす。今のは気にしないでください」

赤松(天海くんの口振りは気になったけど、余り掘り下げてほしくなさそうだったのでもう触れない事にした)


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