王馬「大変だ!オレが行方不明になっちゃった!」
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51: ◆DGwFOSdNIfdy[saga]
2024/02/23(金) 22:54:55.06 ID:4yhwoek00
赤松(スクリーンは、私がいなくなった後の才囚学園を映し続けている。殺人事件が起こったせいで、みんなすっかり憔悴しているようだった。…何を感じて何を思っているのかいまいち読めない人もいたけど)

赤松(私は、なんだかずっと涙が止まらなかった。自分でもどんな気持ちで泣いているのかよく判らなかった。ただただ苦しさだけがあった)

天海「なんでもかんでも思い通りっていうのは、やっぱりそれはそれでつまらないもんすね」

赤松(天海くんは脳内イメージから具現化したのか、どこからともなくポップコーンを出してそれを食べてみせた)

天海「味や食感も記憶とか想像で補完すればまあまあなんとかなるっすよ。赤松さんもどうっすか?」

赤松「ありがとう…」

赤松(気を遣わせて申し訳無いと思いつつ、好意には甘える事にした。勧められるまま手を伸ばしたポップコーンは無味無臭だった。正直なところポップコーンの味を思い出すだけの余裕が無かった。でも、今の私に感覚があったとして、何を食べたって味なんて分かりっこなかっただろう)

赤松(天海くんはこんな状況でも冷静に見えた。あんまりにも私がめそめそしているから、自分が悲しむどころじゃなくなっているのかも知れない)

赤松(それから私たちは色んな話をした。示し合わせた訳じゃないけど、お互いになるべく楽しい話をするよう努めてていたと思う。まるで、現在進行形の惨劇から目を反らすかのように)

赤松(それからもコロシアイは続いた。スクリーンの映像は全く思い通りにならない辺り、全部が全部私の妄想ではないらしい。…贅沢を言うならもっと違う形で知りたかったけど)

赤松(誰か死んで少し経つと、その人が私たちのいる映画館にやって来た。組み合わせに依っては生前の禍根で多少揉めたし、それを抜きにしてもこの世界の特性上トラブルは絶えなかった。しかし、何があろうと学園でハプニングが起こると全員例外無くスクリーンに釘付けになった)

赤松(そういった大まかな流れを4回繰り返して、やがて最後の学級裁判が終わった。私は学園が瓦礫と化していく様を惚けたように見ていた。その頃には涙は枯れ果てていて、不思議と清々しい気持ちだった)

赤松(不意に出入口の扉が開かれる音がした。誰かが映画館にやって来たのか、はたまた出ていくのか)

赤松(私は振り返らなかった。確かめる必要が無くなったから)

ゴン太「ねぇ王馬君、どこ行くの?」

王馬「…ちょっと探し物をしに」

赤松(それきり王馬くんはいなくなってしまった。彼がどこへ行ってしまったのか、知る術は無い)


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