126:名無しNIPPER[saga]
2020/05/06(水) 22:23:06.45 ID:EfLG+Erp0
  
 今よりも少しだけ若い二人が笑い合う写真の数々。 
 自身が生まれるよりも前の記録を、加蓮は興味深そうに眺めていました。 
  
 雄大な景色を収めた写真に、何故撮ったのか全く分からない写真。 
 加蓮が次々に疑問をぶつける度、両親は懐かしむように思い出を語ります。 
  
  「いろんなとこ、行ったんだ」 
  
  「まぁ、昔はね」 
  
  「ねぇ、わたしも行ってみたい! 外国っ!」 
  
  「ん……」 
  
  「アメリカでもアフリカでもいいから! ねっ?」 
  
 愛娘が父に向けて手を合わせます。 
 ごちそうさまの呟きに、両親も釣られてご馳走様でしたと呟きました。 
  
  「じゃあ、お父さんにお金、いっぱい稼いでもらわないとね?」 
  
  「うん!」 
  
  「いや、俺歩合給じゃないけど……まぁ、いいか」 
  
  
 苦笑する父と微笑む母が、加蓮の頭上で目線を交わします。 
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