127:名無しNIPPER[saga]
2020/05/06(水) 22:33:53.62 ID:EfLG+Erp0
  
  ◇ ◇ ◆ 
  
  
  「――ちゃん。加蓮ちゃん」 
  
  
  
  「……んぅ? なに? 機内食……?」 
  
  「じゃ、ないんですけど……ほら、あそこ!」 
  
  「んー……?」 
  
 卯月が肩を揺さぶってくるのと同時でした。 
 ぽーん、とアナウンスが流れ始め、ベルト着用を促すサインが点灯します。 
 隣に座る卯月から何度も何度も指差され、 
 加蓮は寝起きの緩慢な動作で窓の外を見やりました。 
  
  「おー……割と細長いなぁ」 
  
  「周りが全部海なんですねー」 
  
  「島って全部そうじゃない?」 
  
  「……あ、あはは……確かに」 
  
 海外の空気に浮かれる卯月へ、加蓮が眠気混じりの無粋を突き刺しました。 
 照れ笑いを浮かべる彼女に軽く笑みを浮かべ、加蓮は再び目的地を見下ろします。 
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