168:名無しNIPPER[saga]
2020/05/08(金) 00:25:23.33 ID:qTjhoOKq0
  
  「あら? かご、いっぱいだった?」 
   
  「いや、空いてた……けど」 
   
169:名無しNIPPER[saga]
2020/05/08(金) 00:29:31.85 ID:qTjhoOKq0
  
 トンボはまたどこかへ飛んで行ってしまったようです。 
 二人から強引に背負わされた任務を終えた解放感と、訳も分からぬ羞恥心に挟まれ、 
 加蓮はすっかり息を荒げていました。 
  
170:名無しNIPPER[saga]
2020/05/08(金) 00:37:38.28 ID:qTjhoOKq0
  
  ◇ ◇ ◆ 
   
  
  「しおり配るぞー」 
171:名無しNIPPER[saga]
2020/05/08(金) 00:41:56.20 ID:qTjhoOKq0
  
 遠足と言えば、バス。 
  
 凛と奈緒の共通認識は有り得ないほど強固で、 
 電車でもいいよという加蓮の案は敢えなく却下されたのです。 
172:名無しNIPPER[saga]
2020/05/08(金) 00:46:14.55 ID:qTjhoOKq0
  
 路線バスですから、小刻みに停車を繰り返します。 
 その度にアナウンスされる名前に感心したりしていると、急に奈緒が声を潜めました。 
  
  「凛、加蓮」 
173:名無しNIPPER[saga]
2020/05/08(金) 00:53:49.36 ID:qTjhoOKq0
  
  ◇ ◇ ◆ 
   
  
  「あ、見た事ある」 
174:名無しNIPPER[saga]
2020/05/08(金) 01:00:13.98 ID:qTjhoOKq0
  
  「うおー。この果物籠の絵、すごいな」 
  
  「凄いね……さっきもぎって来たのを盛ったみたい」 
  
175:名無しNIPPER[saga]
2020/05/08(金) 01:07:44.91 ID:qTjhoOKq0
  
  「……」 
  
  「……」 
  
176:名無しNIPPER[saga]
2020/05/08(金) 01:15:01.78 ID:qTjhoOKq0
  
  「ここが目玉展示みたいだね」 
  
 凛が呟き、何人かのお客さんが集まっている一角を指し示します。 
 二人も凛の背中について行って、その作品の前で立ち止まりました。 
177:名無しNIPPER[saga]
2020/05/08(金) 01:23:54.11 ID:qTjhoOKq0
  
  「あ、これも知ってる」 
   
  「ロダン……あれ、ダンテさんだっけ?」 
   
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