182:名無しNIPPER[saga]
2020/05/09(土) 10:59:56.57 ID:GVB5f6680
  
  「仲良しだねー、神谷家」 
   
  「普通だろ」 
   
183:名無しNIPPER[saga]
2020/05/09(土) 11:11:21.37 ID:GVB5f6680
  
  ◇ ◇ ◆ 
   
  
  「え、すご。たかっ」 
184:名無しNIPPER[saga]
2020/05/09(土) 11:28:52.06 ID:GVB5f6680
  
 残念ながら、本日は風の影響でトップデッキには立ち入れないようです。 
 観光客でいっぱいの、凝った照明のシャトルエレベーターにしばし揺られているうち、 
 気圧差に耳が詰まってきます。 
  
185:名無しNIPPER[saga]
2020/05/09(土) 11:46:35.92 ID:GVB5f6680
  
 どこまでも広がる灰色は、人類の偉大さと愚かさを同時に見せつけてくるようでした。 
  
 所々に見える緑色を見つけては、加蓮がほっと胸を撫で下ろします。 
 北条加蓮の公式カラーになってからも、なる前も、彼女は緑がお気に入りでしたから。 
186:名無しNIPPER[saga]
2020/05/09(土) 12:09:26.71 ID:GVB5f6680
  
 ひょいと乗ってみせた凛に奈緒は軽く引いていました。 
 譲るように凛が場所を開け、不敵な視線で加蓮を挑発します。 
  
  「どうぞ」 
187:名無しNIPPER[saga]
2020/05/09(土) 12:28:10.42 ID:GVB5f6680
  
  「あ」 
   
  「ん、何?」 
   
188:名無しNIPPER[saga]
2020/05/09(土) 12:39:12.17 ID:GVB5f6680
  
  
  「幸せってクリームの事だったんだね」 
   
  「違うと思う」 
189:名無しNIPPER[saga]
2020/05/09(土) 12:42:58.73 ID:GVB5f6680
  
 加蓮の呟きに、二人は目を丸くしました。そして揃って、くすりと笑いを零します。 
  
  「何言ってんだよ、加蓮」 
   
190:名無しNIPPER[saga]
2020/05/09(土) 19:08:17.60 ID:GVB5f6680
  
  ◇ ◇ ◆ 
  
  
  「ただいまー」 
191:名無しNIPPER[saga]
2020/05/09(土) 19:23:37.36 ID:GVB5f6680
  
  「あれ? 今日レッスンだったのか? 
   渋谷さん達と遠足だって聞いてたような気が」 
   
  「遠足だったよー……でも疲れたぁ……」 
192:名無しNIPPER[saga]
2020/05/09(土) 19:29:11.09 ID:GVB5f6680
  
 手伝うと申し出た洗い物を受け流され、 
 同じく申し出た父もあら珍しいですねと軽くあしらわれ、 
 加蓮は結局やる事も無く、父と一緒に母の背中を眺めていました。 
  
307Res/234.17 KB
↑[8] 前[4] 次[6] 
書[5]
板[3] 1-[1] l20