231:名無しNIPPER[saga]
2020/05/10(日) 12:03:47.21 ID:7gnP6kF90
  
  
 卯月が完全におやすみモードへ突入したのを見届けると、 
 加蓮は冷房の設定温度を少しだけ上げました。 
 部屋の明かりを消して、自分も久々のお布団の中へ潜り込みます。 
  
  
 誰かを部屋に泊めるのは初めてでした。 
 いつもより天井が高くて、友達の寝息が聞こえて。 
 それだけで何だか秘密の冒険でもしているような、妙な気分に眉が緩んでしまいます。 
  
  
  「ありがと」 
   
  「……ふぇゆぅ」 
   
  
 耳に届いたのか定かではありません。 
 たまたまかもしれません。 
  
 卯月の夢心地な返事に小さく笑って、加蓮は目を閉じるのでした。 
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