232:名無しNIPPER[saga]
2020/05/10(日) 12:23:25.26 ID:7gnP6kF90
  
  ◇ ◇ ◆ 
   
  
 何かの拍子に窓ガラスが音を立てました。 
 ゆっくりと目を開け、シーツをめくりながら身体を起こします。 
  
  「あら、おはよう」 
   
  
  
  「……おはよ。たぶん夜だけどね」 
   
  「残念。もう少し寝てたらキスで起こしてあげたのに」 
   
  
 奏が隣のベッドに腰掛けていました。 
 女子会の時に着ていたネグリジェのまま、病室の中を感心したように見渡しています。 
  
 正直その格好は目の遣り場に困るので何とかしてほしいのですが、 
 言って素直に聞くような女ではない事を、加蓮は十二分に承知していました。 
  
  「えっと、ここ、私の夢なんだけど……なんで居るの?」 
  
  「さぁ。きっと、私の夢でもあるのよ」 
   
  「……」 
  
  「それで……やっぱり、ここが貴女の言ってた?」 
  
  「うん」 
   
  「暗いのね。それに、静か」 
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