もしもし、そこの加蓮さん。
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40:名無しNIPPER[saga]
2020/04/28(火) 21:23:17.19 ID:kH44I3Ym0

【V】イグニッション


 「しんだ」

 「生きてるってば」

 「へもぁ」

 「人間の言葉で話しなって」


各種レッスンを開始してから三ヶ月。
当初はトレーナー達も思わず天を仰いだ有様から随分と成長を遂げ、
ダンスレッスン後には物言わぬ液体生物と化していた加蓮は、
今や立派に言語らしき声を呻き出せるまでになっていました。


鏡張りの壁を利用し、ずり、ずりと、
若干ホラーテイストを漂わせながら上半身を壁へとくっつける事に成功した所で、
そっとボトルが差し出されます。

 「あはは。でも、最初の頃に比べたら見違えるみたいです」

 「んくっ……んむっ……っは、生き返るぅ……」

 「加蓮の場合、なんか冗談に聞こえないんだよねー……」

卯月は汗を拭いながら、美嘉は涼し気な顔で、それぞれ笑ってみせます。
少し滲んだ視界に映る二人へ、まだだ、と加蓮は胸中で呟きました。


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