10:名無しNIPPER
2020/04/29(水) 22:11:41.26 ID:GKexH31W0
  合同レッスン当日、彼女はやけに気合いが入っていた。それこそオーディションの順番待ちみたいな雰囲気だ。 
  
  こういう時は何か気の利いた、リラックスできるセリフでも言えたらいいんだろうけど、それを考えている内に順番が来てしまうのが毎度毎度お決まりのパターン。今日もそうで、何を言おうかと考えている内にレッスントレーナーが入ってきてしまった。 
  
  何を言えば効果的かを教えてくれる、そんなメモ帳でも落ちてないかと願うばかりだ。 
  
  っと、現実逃避なんかしている場合じゃない。せっかく合格候補とレッスンしているんだからしっかりと分析しないと。 
  
  まずはビジュアルレッスンか。うん。悪くない。さすがに得意分野なだけはある。○○にも負けてない。 
  
  次はダンスレッスン。二人ともいいじゃないか。指先まで意識した、躍動感のあるダンスだ。 
  
  ということは最後のこれはボーカルレッスンだな。 
  
  僕は正直なところ、歌の上手下手がよく分からない。難聴になってからは音程が取れなくなったし、息遣いや表現力みたいな細かいところも聞き取れないことが多い。 
  
  まあ彼女からボーカルレッスンがしたいと言われることはほとんど無いから、特に苦手だ、ということはないんだろう。周りからも悪い評判はあまり聞かないし。 
31Res/21.15 KB
↑[8] 前[4] 次[6] 
書[5]
板[3] 1-[1] l20