11: ◆ty.IaxZULXr/[saga]
2020/05/18(月) 20:37:25.28 ID:RS4SDFXO0
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GP社・応接室
久美子「遺体はこの会社を経営する桐生つかさ、死因は近距離からの発砲。心臓を銃弾が貫通していて、即死」
亜季「撃たれたのは、この位置でありますか」
久美子「撃たれたのは部屋の中央よ。理由はわからないけれど、寝かせられる位置に移動されてる」
のあ「銃弾は見つかったの?」
久美子「あそこ。壁に当たって、床に落ちてた」
真奈美「残留物というのは、それか」
久美子「日本で一番情報が集めやすい拳銃、つまり警察官のもの」
のあ「メディアには」
亜季「新田巡査が犯人、とは言っておりません」
久美子「そこにもう1つ。荒らされた物で隠れていたの」
真奈美「警察手帳だな、新田巡査の」
のあ「部屋は荒らされている」
亜季「犯人と被害者が争ったのでありましょうか?」
のあ「違うと思うわ」
真奈美「どういうことだ?」
のあ「争ったように、見せかける。室内にあったものを床にばらまいただけに見えるわ」
亜季「もみ合いになって事件が起こったのではないのでありますな」
のあ「犯行は計画的なのかしらね」
久美子「勝手にそう思っている。亜季ちゃん、これ見てくれる?」
亜季「了解であります……布でありますな、厚手の」
真奈美「キッチンミトンのようだな」
久美子「穴が空いてるの。目的はわかる?」
亜季「わかるであります、銃声を抑え込むためでありますな。暴力団員見せしめに敵対組織の幹部を殺害した際に、同様の手口が利用されたであります」
のあ「犯人は暴力団員、ではなくて」
亜季「犯人は、この手口を知ってるであります。至近距離で撃つことが前提なら、威力に問題はないであります」
真奈美「人体を貫通するには十分だが」
のあ「壁では失速している。利用したのは間違いなさそうね」
久美子「ええ。銃弾、傷口にも繊維が付着していたわ」
亜季「以前の事件では、繊維が散乱していたことで犯行位置と身元が割り出せたであります」
久美子「繊維は、応接用のテーブルとイスに一番多く付着していたわ」
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