古澤頼子「高峯のあの事件簿・マスターピース」
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88: ◆ty.IaxZULXr/[saga]
2020/05/18(月) 21:54:24.87 ID:RS4SDFXO0
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卯美田スカイニア・30階

真奈美「人が住むには……広すぎるスペースだな」

亜季「おや、来たのは木場殿でありますか」

真奈美「大和巡査部長か」

亜季「無事に失職、ただの大和亜季でありますよ!」

真奈美「その割には、元気だな」

亜季「黙るのも偽るのも私にはストレスでありました」

真奈美「古澤頼子はどこかな」

亜季「上でありますよ。この通り、上へのエレベーターは大和亜季の後ろであります」

真奈美「予備のエレベーターは止めなかったな?」

亜季「その通りでありますよ。高峯殿はどちらでありますか?」

真奈美「非常階段は屋上まで続いている。29階で降りて、駆け上って行ったよ」

亜季「ははっ、さすがでありますなぁ!しかし、施錠されているでありますよ?」

真奈美「並の施錠では、高峯のあは止められない」

亜季「そうでありますか、頼子殿はそれも想定のうちであります」

真奈美「和久井警部補は、ここに来たのか」

亜季「ここには来ておりません。なので、上に行ったのでしょう」

真奈美「君がここで待っている理由は、何かな」

亜季「頼子殿は、余計な人間は入れるな、と」

真奈美「私は余計か」

亜季「私もでありますよ。サイドキックはクライマックスの舞台にはあがれないのであります」

真奈美「古澤頼子とは、どんな関係なんだ」

亜季「私は、伏し目がちで猫背な少女の言葉を、心の声を聞いただけであります。ほんの少しだけ励ましました。ずっと、昔の……思い出でありますよ」

真奈美「身分を伏せ……伏せる必要もなかったのか。君は警察官となった」

亜季「頼子殿は私には全く連絡をしてくれませんでしたからなぁ。新田殿の動きはヒヤヒヤしながら見ていたでありますよ」

真奈美「君がフォローしていたのか」

亜季「高峯殿と話はしておりませんか、私なら出来そうな工作を。例えば、東郷あいと連絡を取っていた人物のケータイが見つかった場所であるとか」

真奈美「それは、大人しく署で話したまえ」

亜季「つれないでありますな」

真奈美「『化粧師』を殺害したのは君か」

亜季「そうでありますよ。彼女は暴走していました、頼子殿に危害が及ぶのを避けたであります」

真奈美「だが、渋谷凛を手にかけなかった理由はなんだ」

亜季「反省している人間を手にかけることはありません」

真奈美「矛盾していないか」

亜季「人は矛盾を抱えているものでありますよ。頼子殿の相棒で、和久井警部補の部下で、新田巡査の先輩で、惠の同期で、高峯殿と木場殿とは協力関係でありました。全て、大和亜季であります」



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