両儀式「どうだ、トウコ。オレは常識人だろ?」
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2:名無しNIPPER[sage saga]
2020/06/26(金) 00:16:48.71 ID:pCrOcsWZO
「だいたい、社会に適合した人間ほどつまらない存在はないぞ。そしてそれこそが彼らにとっての誇りで、逸脱していない自分に酔っている。一度も交通違反すらしたことがない人生だけが取り柄など、虚しいだけだろう」

果たして本当にそうだろうか。
別に羨ましいとは思わないが、立派だ。
それを誇ることは確かに虚しいだろうけど。

「交通違反をしたら偉いのか?」
「まさか。落伍者に堕ちるだけさ。そしてそれこそが、人生の醍醐味と言える」

プカリと紫煙を吐き出しながら、トウコは戯言をほざく。人生なんて語る資格ない癖に。

「橙子さん。まるで逸脱することを格好良いみたいに言わないでくださいよ。式が真に受けたらどうするんですか」
「幹也。君もクルマに乗るようになればわかるさ。法定速度を守ることがいかに退屈か」
「僕は日常にスリルを求めてませんから」
「おや? それならどうして式のような存在を傍に置きたがる。抜身の刀みたいな女だぞ」
「式にだって、多少は癒しが存在します」

む。多少とはなんだ。失礼なやつめ。
オレはいつだって物静かでマイナスイオンを発生している。絶対零度かも知れないけど。

「つまり君は式に癒しを求めているのか?」
「おかしいですか?」
「おかしくはないが滑稽だな。まるでジェットコースターに乗りながら茶でも飲んでいるかのようだ。まあ、黒桐なら平気そうだが」
「それ間違いなく、馬鹿にしてますよね?」

黒桐幹也は馬鹿だ。トウコの見解は正しい。


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