小美浪あすみ「仕方ねーな。アタシがひと肌脱いでやる」
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4:名無しNIPPER[sage saga]
2020/07/04(土) 03:51:51.88 ID:ybIwhY18O
「先輩だって、焦ることはあるでしょう?」
「そんなもん、しょっちゅうだよ。なにせアタシは浪人生だからな。焦るに決まってる」

小美浪先輩は去年、受験に失敗した。
浪人生となった彼女は予備校に通い、その学費を稼ぐためにメイド喫茶で働いている。
しかし、普段の彼女からは焦りは感じない。

「でもよ、どうしようもなくなるくらい焦ったって仕方ないだろ。それはモチベーションにするべきもので、ぶっ倒れるくらい負担になるようならそもそも考えるべきじゃない」

言われて理解する。考え方の問題なのだと。
焦燥をモチベーションにするのは、難しい。
ならばそれを考えることは控えるのが賢明。

「アタシは町医者の娘だからな。患者にはいろんな人が居て、そこに区別はない。精神的な疾患だろうが、肉体的な疾患だろうが患者にとって病気は病気でしかなくて、それを治したくて医者に頼るんだ。そしてそんな患者を治してやるのが医者の務めだと思っちゃいるが、だからと言って、全ての病気を治してやることは出来ねぇ。何故だかわかるか?」

見当もつかず首を横に振ると、こう続けた。

「医者がどんだけ最善を尽くしたとしても結局、助かるか助からないかは患者次第だからだ。だから、後輩。お前次第なんだよ」
「俺、次第……?」
「お前がそんな風にしょぼくれた顔をしているうちはいつまで経っても良くならねーってこった。だからほら、笑え。さっさと笑わねーと、ねじ切るぞ」
「そ、そんなことを言われても……」

いきなり笑えと言われても困ってしまう。
それこそ、医師ではなく漫才師の領分だ。
しかし小美浪あすみ女医は優秀な医師だ。


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