42:名無しNIPPER[saga]
2020/07/12(日) 21:38:05.50 ID:qe4+sBJv0
  
 朝の陽射しは僅かな木漏れ日となって、ヨハネを照らす。 
  
 昨日ほど寝付けない夜は初めてだった。 
  
43:名無しNIPPER[saga]
2020/07/12(日) 21:38:36.68 ID:qe4+sBJv0
  
 ヨハネの願い通り、花丸はその日来なかった。 
  
  
  
44:名無しNIPPER[saga]
2020/07/12(日) 21:39:29.50 ID:qe4+sBJv0
  
  
 (あいつ、さすがに心配かけすぎでしょうが。) 
  
 5日間も花丸が山に来ない日々が続いた。 
45:名無しNIPPER[saga]
2020/07/12(日) 21:40:40.24 ID:qe4+sBJv0
 「ねぇ、マルは死んじゃうのかな?」 
  
 震える手でヨハネの手を握りながら、不安げな目で花丸はそう尋ねる。 
  
 ヨハネの脳裏にマリーの言葉がフラッシュバックした。 
46:名無しNIPPER[saga]
2020/07/12(日) 21:41:09.20 ID:qe4+sBJv0
  
  
  
 祈った。 
  
47:名無しNIPPER[saga]
2020/07/12(日) 21:41:44.24 ID:qe4+sBJv0
  
  
  
  
  
48:名無しNIPPER[saga]
2020/07/12(日) 21:42:40.35 ID:qe4+sBJv0
 小鳥の囀りがいつの間にか寝てしまったヨハネをゆっくりと起こす。 
  
 「花丸……?」 
  
 目の前の花丸は穏やかな表情ですやすやと眠りについている。そして、驚くべきことに── 
49:名無しNIPPER[saga]
2020/07/12(日) 21:43:14.01 ID:qe4+sBJv0
 翌日、花丸はにこにこ顔でヨハネの下を訪れた。 
  
 「ヨハネちゃん、風邪治ったよ!ずっと来れなくてごめんね。」 
  
 (違う。あれは風邪なんかじゃない。) 
50:名無しNIPPER[saga]
2020/07/12(日) 21:44:10.12 ID:qe4+sBJv0
 ヨハネの疑問は解決されることなく、ただ時間だけが過ぎて行く。 
  
 1週間ほど経った頃。 
  
 花丸と遊ぶ元の日常が戻ってきたと思っていた矢先のことだった。 
51:名無しNIPPER[saga]
2020/07/12(日) 21:45:43.26 ID:qe4+sBJv0
 今しがた生命力が涸れかけていた花丸は、みるみるうちに生命力に満ちていく。 
  
 やがて、異変の中心でゆっくりと花丸が目を開けた──。 
  
 「ヨハネちゃん……?」 
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