あかり「ちなつちゃん、大好き」
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4:名無しNIPPER
2020/08/23(日) 19:21:30.91 ID:mHiJ1Ddl0
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ふたりしかいない茶道部(――の部屋を使って活動するごらく部)の部室は、最初に思っていたよりも広かった。
ひとりとなると尚更だ。
図書室へと向かったあかりちゃんを見送った私は、あかりちゃんの言われた通りに先に部室に行ってしまうのがなんだか癪で。
そうしてふと思いついた行先が、生徒会室だった。

向日葵「避けられてる?吉川さんが、赤座さんに?」

私は神妙な顔をして頷いた。

櫻子「さすがにちなつちゃんの思い込みじゃない?」

向日葵「この件に関しては不本意ながらも櫻子と同意見ですわ」

櫻子「不本意ながらってなんだよー」

相変わらずのやり取りを繰り広げる向日葵ちゃんと櫻子ちゃんを前にして、私は「そうかなあ」と呟く。
自分が思っていたよりも弱気な声だった。
それを聞いて、今にも痴話げんかを始めそうだったふたりが同時に私を見た。

向日葵「なにか心当たりはあるんですの?」

向日葵ちゃんはやわらかい声で私に訊ねた。
櫻子ちゃんが、向かい合った席から身を乗り出して私の顔を覗き込んでくる。

櫻子「あかりちゃん、いつも通りにしか見えないけどなあ」

ちなつ「うん、私もね。心当たりなんてなんにもないし、避けられてるかもしれない、くらいなんだよね」

私自身、あかりちゃんはあかりちゃんだと思ってる。
はっきりと避けられてると言えるほど距離が離れているわけではないし、毎日一緒にいる私たちのことを、そんなふうに思うひとなんてほぼいないだろう。
けれど、この違和感は毎日一緒にいるからこそ、だった。


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