11:名無しNIPPER
2020/09/11(金) 07:29:36.08 ID:zpjMmHUlO
杏は武内を追いかけているとき、こう思った。
ーこいつマジだー
ようやく、彼が本気であると言う現実に観念し、半ばやけくそで彼の行く末を見るしかない、と。
だが、このコルベットをみてその気持ちは揺らぐ。ただでさえ人相が悪く、ガタイもよく高身長の、ヒットマンとよばれても仕方のない男が、ピンク色の、さらにアイドルプロジェクトのエンブレムが貼られている車に乗っている。
イメージ崩壊へのカウントダウンは、更に加速する。
武内がエンジンに火をつける。コルベットは、また走れるという歓喜を挙げているかのように唸っている。
「運転は大丈夫です、アセットコルサやグランツーリスモやった程度で運転上手くなったと勘違いしている奴らとは違います」
「知らないよそんなこと!」
そんなやりとりのあと、武内はアクセルを踏み込む。それに呼応するかのように、コルベットは咆哮をあげ、駆けていった。
目的地は、961プロダクションである。
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